プロフィール

野風ヤマミチ

Author:野風ヤマミチ
1980年よりフリーランスフォトグラファーとして活動。1990年ごろから環境問題の雑誌に関わったことをきっかけにエディター、ライターも兼ねるようになる。時を同じくして子供の頃より関わってきたボーイスカウト活動にリーダーとして復帰する。2001年ボーイスカウトの制服を脱いでからノンフォーマル・エデュケーション(野外教育、環境教育、冒険教育等)を仕事の柱に据え活動、執筆をしている。
現在シングルトラック・プロジェクト野風を主催、マウンテンバイクのスクール&ガイドインストラクター、小中学生の野外活動インストラクター等も務める。
1960年東京生まれ 趣味 手作りの道具で野宿、焚火、山旅

資格
日本マウンテンバイク協会 B級インストラクター
INBA ナショナル・マウンテンバイク・パトローラー
WMA ウィルダネス・アドバンスド・ファーストエイド取得
WMA ウィルダネス・ファースト・レスポンダー取得
AHA  ハートセイバー・ファーストエイド ハートセイバー・CPR・AED 取得


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ウイルダネス・ファースト・エイド

一人で山歩きを楽しんでいたあなた。
その目の前で人が俯せに倒れていた。
携帯電話を出したが圏外。
登山口までは歩いて1時間以上。
あなたは何が出来ますか。

これは、ウイルダネス・ファースト・エイドの講習会で必ず出てくるようなシュチエーション。こんな時、僕らは何が出来るだろうか。
街の中だったら、救急車を呼び、意識が無ければAEDを手配し、救急車が来る最低10分間手当をすればいいし、周りの状況が危険でなければ無理に移動させる必要もないし協力者も直ぐに見つかるだろう。
しかし、上のシチュエーションで、意識がなく、心肺が停止寸前の状況だったらどうしたらいいのか、何を出来るのか。または、意識ははっきりしているけれど相手は苦しんでいる時、どうしたらいいのか?行動を起こしても正しい判断を下せるのか?

ザックリと答えを言ってしまえば、“善きサマリア人の法”にのっとりあなたの出来る範囲で誠意を以って手当をしてください、ファーストエイドに正解はないのだから。もしくは、見て見ぬ振りをして立ち去るか、どちらかです。

答えになっていないように聞こえるかもしれない。でも知識が無ければこんな答えしか出せない。


もともと、ヨット、登山やキャンプ、ボーイスカウトのリーダー、現在はMTBのインストラクターとしてスクール&ガイドを開催している僕には上の解答では到底納得出来ないし、ましてや自分が主催する野外のイベントを行う者としては無責任である。勿論いままでに消防庁、日赤、アメリカ心臓協会などのファーストエイドのコースを受講してきたのだが、それらはあくまで街の中でのファーストエイドであり最初に書いたシチュエーションでの対処法ではなかった。もっと具体的に言ったら「もちろん、心肺停止、出血、骨折などに対応出来る知識、手技は身につくが、いざその場でどういう手順で行っていけばいいのか正しい判断が出来るかどうか自信も根拠もない」という言い方が正しいかもしれない。

そんな中、自分が野外教育インストラクター、プロジェクト・アドベンチャーと関わって行く中で、日本のOBS(アウトワード・バウンド協会)主催のWMA(ウィルダネス・メディカル・アソシエート 米国)の野外救急法資格取得コースが開かれていることを知ったのは1年前。今回は八王子での開催、これなら宿泊せずに自転車で通えるwwwで、参加を決めた。

受けるコースはWAFA(ウィルダネス・アドバンスド・ファーストエイド)4days インストラクターは米国で職業としてもパラ・メディックの資格を持つデイブとベン。デイブはSAR Kー9(捜索救助犬)でも活動しているというし、ベンもパラ・メディックスクールの講師でもある。日本では14回目のWAFAのコース、今回は北は北海道、南は沖縄からの参加者もあり28名の参加ではじまった。職業も教師、看護師、山岳ガイド、自然学校インストラクター、学生と野外関係者が多いのは納得。ただし、参加したから資格が取れるものではなく、最終日の試験に受からなければならない。うーん、この歳で試験に落ちたらさぞやへこむだろうなぁ、などと要らぬ心配で胃も痛くなるwww

ここで、コースの細かい内容を知りたいのならOBSのHPを見てもらう事にして、このコースの肝の部分をさわりだけ話すとすれば、それは患者評価システムと移動のための脊椎評価法にあると思う。普通のファースト・エイドのコースでは搬送法は教えても移動してもいいかどうかの判断の仕方はまず教えてくれない。では、このコースでそれを教える根拠は

『野外環境下を想定し、最新の医学知識や根拠をもとに医療関係者者と野外活動のプロフェッショナルによって体系かされた、30年以上もの歴史のある野外救急法』 (OBSジャパンのパンフレットより)

この確信をもとに野外においての救助の在り方を哲学的と実践的の両方の面から教えてくれるのである。

では実際にどのようなシステムかというと、
患者評価システム、通称PASは三段階の手順とその手順それぞれの中にまた三つの観察や評価すべき項目があり、その手順を訓練すれば誰でも倒れている人の評価が出来るようになるシステム。

第一段階 状況評価では、安全、人数、倒れている原因を観察。
第二段階 初期評価では、循環器系(脈拍確認、大出血、ボリュームショック)、呼吸器系(気道確保、呼吸の確認)、神経系(頭部外傷による浮腫、脊椎損傷)の評価。この時点で異常があれば生命に関わるのですぐに処置(心肺蘇生、直接圧迫止血、脊椎ガイドラインに沿った傷病体位管理等)を施し、それらをクリアしてから次に進む。
第三段階 二次評価では触診、問診、バイタルサイン(脈拍数、呼吸数、意識)となる。

文章で書けば5、6行で済んでしまうがノートにこの図とそれぞれの処置を書こうものなら丸々1ページに図と細かい文字がびっしりと並ぶことになるり、完全な理解となると僕は二日半かかったwww
そしてこの後に外傷や骨折の処置、バイタルの確認継続、搬送計画となり、この搬送計画で脊椎評価法による判定をくだし搬送する。

そして、このコースを終了するに当たって何より大きな事は上に書いたことが実際に目の前で起こった時、躊躇なく実行できる自信がつくことだ、と僕は感じた。それはひとえにインストラクターのデイブとベンの自信とユーモアと誇りに満ちた講義のおかげだと思う。
僕の中でそれを最初に感じた例を上げると、骨折の処置については勿論僕は知っていた。だけど運よく(?)そういう場面に出くわしたこともなく(自分の肩の脱臼を嵌めたぐらいwww)人に処置をした経験はなかった。特に長骨の骨折の場合引っ張ってから固定することは耳で知っていたが実際の場面に出くわしたら先ず出来なかっただろう。でも、今回彼等の講義を受け、「あっ、出来るよ、これなら」と思えてしまった。なぜだろう?
考えた末に行き着いたのは、さっき書いたデイブとベンの自信とユーモアと誇りに満ちた講義のおかげだと気づかされた。

僕自身、学生の頃や30代で復帰したボーイスカウトのリーダー、小学校、中学校の野外教室のインストラクター、プロジェクト・アドベンチャーのインストラクター、そして現在のメインの活動であるMTBインストラクターとしてやって来て、自分が尊敬したのは揺るぎない自信と誇りを持って行動できるインストラクター達だったし、自分もそう在りたいと願い勉強して来たつもりだった(いやいや、今も勉強中ですがwww)
今回、参加してこのウイルダネス・ファースト・エイドばかりではなく、インストラクターとしての在り方も見せてもらったのだとあらためて感激した。
そして、いつもそうなのだが、ファースト・エイドの講習を受ける度に思うのは、このファースト・エイドという最後の砦を使うのではなく常に安全を管理する自分の目を養うことを一義とし、その次が目の前で起こった事態に即応できる心の準備とファースト・エイドの知識と技術だと。
特に自分がMTBのスクール&ガイドを主催して行うようになった今、この思いをあらためて噛み締めている。
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